Sam's Town / THE KILLERS
シングル"When You Were Young"は中盤どう聴いてもT-BOLANみたいな音が鳴るので結構好きだ。もっと徹底的に安っぽい路線が個人的にはお気に入りだったのに。金に余裕が出来たのかシンセが減ったね。こうゆう変化を「アメリカ的になった」という一言で済ませられる思考回路の人は世の中生き易いんだろうなという感じはする。日本盤は「キラキラ・ラスベガス・プライス」だそうで。
しかしTHE KILLERS然り、MY CHEMICAL ROMANCEの"Welcome To The Black Parade"然りだが、日本ではこういった少しでも大仰で壮大な臭いがする音を全て「QUEEN的」と気軽に形容するケースが多い。QUEENというフレーズの惹きが強く、そこに確固たるマーケットが存在しているのだから売り手側が「QUEEN的」という言葉を多用するのはある意味仕方ないとも思うが(要するに、キムタクのアイスホッケードラマを見ていた人たちにも買わせたい、というような)、逆にもっと大きなマーケットを逃しているような気がしないでもない。
そして売り手ではなく純粋に批評するレベルの人たちが「QUEEN的」というフレーズを多用するに到っては、耳大丈夫か、という感じ。勿論QUEEN的と紹介される楽曲群にその要素が無いとは言わないが、そんな微細なQUEENエッセンスを嗅ぎ取るだけの素晴らしい耳をお持ちの皆さんであれば、もっと他のエッセンスを嗅ぎ分けられるんじゃないだろうか。
ことニューウェイブ系に関しては、日本の耳は(雑誌ではすぐにDEPECHE MODEの特集とか組むくせに)QUEEN的の一言で何もかも片付けすぎているように思う。NINE INCH NAILSをずっとトラウマ・ロックの観点でだけ語ったりするから時系列が捩れるんだよ。
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