Me And My Gang / Rascal Flatts

このボーカルのルックスでは日本で売れないと踏んだのか、日本盤発売時になぜかジャケットがカッコ良く(しかしメンバーの顔は見えない)デザイン変更されたRascal Flattsの、全米1位大ヒット・アルバム。日本盤は大ヒット曲 "What Hurts The Most" に加えて映画『カーズ』の主題歌になった "Life Is A Highway" を収録。


ミー・アンド・マイ・ギャング

ミー・アンド・マイ・ギャング


アルバムのハイライトをカバー曲だと言い切るのは若干抵抗がありますが、とにかく "Life Is A Highway" ですよ。1992年だったか、往年のトム・コクランの大ヒット曲、のカバー。
オリジナルが収録されてるトム・コクランの『Mad Mad World』が廃盤で、「amazonで輸入盤買うか? でも他の曲ぜんぜん興味ないしな」と思っていたところに、まさかのRascal Flattsがカバー曲投下。アレンジのしようがない、元々ドライブ感のある原曲に更にドライブ感を足して、トドメにPVでは『カーズ』の映像をふんだんに盛り込んで。
これでこの曲聴いてドライブしたくならなきゃ嘘だろ。
タイトル, 歌詞, 映像など全てのイメージを徹底的に「車」へ繋げて、トム・コクラン, Rascal Flattsのメンバーの顔, 衣装などを一方のイメージ・キーワードを「田舎臭さ」に繋げる。見事な統一感で曲全体から「これ聴きながら田舎の道を走ったら最高気持ちいいぜ」ってオーラがバリバリ出てる。まさにプロの仕事です。


今だから告白しますが、日頃「思春期はグランジにはまった」と言いながらしっかりトム・コクランなんか聴いてるのは、当時「破れたジーンズ+汚いネルシャツ+鬱陶しい髪の毛+下げポジ気味のギター」で歌う彼のPVを見て、グランジ君だと勘違いしてアルバムを買ったからです。恥ずかしすぎる。
あの頃はアルバムを通して聴いて「きゃあ、僕の体にジョンメレンキャップ臭が!」と呪いの人形でも捨てる勢いで中古屋に売り払ったけど、多分今なら通して聴ける。そして15年近く経っても、やっぱ "Life Is A Highway" は名曲。


個人的な思い入れで紹介しましたが、もしあなたが僕と同じような音楽的嗜好でこのページをご覧になっているとすれば、 "Life Is A Highway" と "What Hurts The Most" 以外は厳しいアルバムかも。
気分転換に「田舎暮らし」って雑誌を買う気分ですかね。


カントリーってPV見てても夏のイメージがありますけど、日本の夏は湿気が高くてあまり乾いたカントリーが馴染まないので、案外乾燥した冬のほうがカントリーは聴ける。気がする。