へうげもの 4巻

自分用メモ:今日帰り買うこと


へうげもの(4) (モーニング KC)

へうげもの(4) (モーニング KC)


もう出てたのか。知らんかった。


今いちばん発売を心待ちにしているマンガのひとつなので、そのうち感想ちゃんと書きます。古田織部という「戦国武将」カテゴリでは知名度の低い男から見た安土桃山時代を描く作品ですが、古田織部がどうこうは抜きにして、信長・秀吉・家康・光秀と出てくる人物が全員とんでもなく魅力的。使い古されたキャラクターで、if話ですら既に語り尽くされた展開なのに、ひきこまれる。3巻冒頭の信長が死ぬシーンは震えました。あと光秀が味噌汁に桔梗を浮かべるシーン。人物に説得力があれば「荒唐無稽」なんて言葉は吹き出しの向こうへ消えちゃうんだなあ。


そして「織部焼」「織部流」「織部好み」といった言葉で知られる古田織部だけに茶道話が充実しているわけですが、従来ともすれば「わび」「さび」なんて言葉でごまかして「一体なぜ戦国武将はここまで茶の湯に入れあげたのか」が良く伝わらない作品が多かったのに対し、「へうげもの」は結構「物欲」をベースに置いているのでわかりやすい。信長が持ってるから欲しい。利休が持ってるから欲しい。その次元まで行きたい。っていう。政治の歴史と茶の湯の歴史を説明口調にならずストーリーとして魅力的に並び立たせ、エンターテイメントとして成立させている作品を(マンガや小説のジャンルを問わず)はじめて見ました。名物を見るたびに織部が発する妙な擬音もジョジョマニアはたまりません。


信長の野望」で言われるがままに茶会を開きながら、「九十九茄子とかただの小さいツボじゃねえか。こんなの渡しただけでなんでヒゲはやした武将がじゃんじゃん裏切っちゃうわけ?」と思っていた人に、目から鱗が落ちる一冊。だって俺も勢高肩衝欲しいもん。