Touch / Amerie

2005年5月のリリースだが、未だに良く聴くので、ちょっとテキスト化してみる。


Touch

Touch


といっても聴くのは"1 Thing"のみだけど。
"1 Thing"はアルバムの中で浮いた楽曲だ。正直この曲を歌っているのはAmerieではなくBeyonceだ、いやJennifer Lopezだと言われても抵抗無く受け入れられる。悪く言えば没個性的で単調な高音が繰り返されるだけの曲。"1 Thing"は気に入ったけど、僕が彼女の次のアルバムを買うかと言われれば、答えはNO。そんな、アーティスト本人の個性をアピールするには不向きなヒット曲、だと思う。


アーティストを将来性やキャラクターなど総合力で判断する人であれば、きっとこのアルバムや"1 Thing"に厳しい点を付けるのだろう。それはそれで納得できる。


ただ、iPodでその時の気分にあった楽曲を呼び出しては聴く、という昨今のスタイルに於いて、この曲が非常に「呼び出されやすい」ある種の中毒性を持っているのは間違いないと思う。
ラーメン屋に入って、「とりあえず生ビールと餃子」とオーダーする感覚で。何か作業をする前の気分転換に、或いは作業中のトランス状態に、この単調な高音の繰り返しは不思議と癖になる。少なくとも、微妙に細部が異なるだけで全部キーが高くて騒がしい曲ばかりを並べたBeyonceのアルバムよりは数倍邪魔にならない。


褒めていないように聞こえるかも知れないが、音楽を聴きながらでないと作業できない、音楽を聴きながらでないと移動できない、音楽を聴きながらでないとネットも見られない、そんな人間が増えていると思しきこのiPod時代に、「邪魔にならない」というのは結構重要なことだ。多分。