シャンパンとゴキブリと私

先週から今週にかけては仕事で都内の電車移動が多く、丸ノ内線・銀座線・半蔵門線日比谷線有楽町線南北線に都営浅草線都営大江戸線と、兎に角ありとあらゆるメトロと都営線に乗りまくりました。いずれも2駅3駅の短い乗車区間で、iPodで落ち着いて音楽を聴いたり、鞄から本を取り出す暇も無い。そんな時、自然と目につくのは電車の中吊り広告ですよね。


http://www.hanako-net.com/issue/index.jsp?gosu=899


良く目にしたのは広告全体が黄色のトーンで統一された、今週号の『Hanako』の広告です。「シャンパンのない毎日なんて」と題して、シャンパン、スパークリングワイン、白ワインの選び方を教えてくれる特集の号、らしいのですが....。


通常、中吊り広告って左右2つの広告が隣合わせで掲載されてますよね。


http://www.tanisake.co.jp/gcap.htm


なぜか、このHanakoの中吊り広告が掲載されている全ての車両、全ての局面で、まるで呪われたかのように、『Hanako』の洗練された広告の隣が「ゴキブリキャップ」の広告なのです。「ゴキブリキャップ」というのは、いわゆる「ホウ酸ダンゴ」とも言われる、置いてゴキブリを駆除するタイプの殺虫剤です。まあ、隣の広告まではなかなか選べないので、これはこれで仕方のない事なのですが、問題は「ゴキブリキャップ」の広告が『Hanako』の今週号と全く同じ色と言い切っても差し支えない、同系の黄色配色で統一されていることで。ちょっと遠目に見ると、『Hanako』が全面広告を出して、その中でシャンパンとゴキブリキャップの特集を組んでいるように見えちゃいます。


もうこれは気の毒としか言いようがない。


せっかくシャンパン特集を組んだのにゴキブリの横。上記URLを確認してもらうとわかりますが、今回『ゴキブリキャップ』などという地味な商品が車内に中吊り広告を出したのは、新たにゴキブリをおびきよせる成分として落花生(ピーナッツ)が有効だと判明、新製品を開発したから、ということらしいのですが。僕は目が悪いので、最初「ゴキブリキャップ」の文字が見えず、「落花生」の文字だけを識別して「へえ、シャンパンのおつまみに落花生って、『Hanako』もまた随分オヤジくさいおつまみを推してきよるな」とカンチガイして、広告に近付いてから初めて「あ、こっち側は違う広告なのか」と気付いたぐらいで、ほんとに色が似てるのね。


まあ、カンチガイはしなかったにしても、少なくとも『Hanako』の広告を見る限り、必ず「ゴキブリキャップ」の広告とポップなゴキブリのイラストは目に入るわけで。ゴキブリの絵を見ながら「シャンパン飲みたい!」と思うOLはあまり居ないでしょうから、こりゃあ相当損をしてる感じです。


ゴキブリキャップの会社も、せっかくキャップ作ってるんだし、これを機会に「シャンパンの炭酸が次の日も抜けずにおいしく飲める」シャンパンキャップとか開発すればいいのに。飲み終わったらホウ酸ダンゴと落花生を詰めて、ゴキブリキャップとしても使える。或いは、発想の転換で、「使用期限の切れたゴキブリキャップはシャンパンキャップとしてもご利用いただけます」。うーん、エコロジー


Hanako (ハナコ) 2007年 5/24号 [雑誌]

Hanako (ハナコ) 2007年 5/24号 [雑誌]