Who We Are / LIFEHOUSE

Who We Are

Who We Are

LIFEHOUSEの新作が出てました。


LIFEHOUSEは僕がはじめて作ったサイトでデビュー当初から熱心に紹介していたバンドで、掲示板などで「ここを見てアルバムを買ったらすごく良かった」という感想を貰ったりして「ホームページって面白いな」と感じるキッカケになったバンドのひとつなので、彼らにはひとかたならぬ思い入れがあります。


確か嫁と初めて一緒に見に行った洋楽アーティストのライブも彼ら、だった気がする。当時SLIPKNOTとか、ヘヴィロックばかり聴いていた僕が彼女に「どんな音楽が好きなのか」「なにかCDを貸してくれ」と言われて「RAGE AGAINST THE MACHINEとか聴かせても絶対受けねえんだろうな」と思い悩んだ末に貸したアルバムが彼らの1stだったので。一緒に住む部屋へ引っ越す時に車の中で"Hanging By A Moment"を聴いたのも思い出深い。


2000年にデビューした彼らはその"Hanging By A Moment"のヒットで幸先の良いスタートを切り、結果的にこの曲は2001年に全米のラジオで最もオンエアされた楽曲となりました。アメリカのラジオで流される為に生まれてきたと云っても過言ではない、あの乾燥した大地を震わせるためだけに存在する、爽やかだけどポップな甘さだけでは終わらない独特のかすれ声。ロックとポップスの狭間を迷いの無い力強い声で歌い上げるLIFEHOUSEは、続く2ndでこそ"Spin"が思ったほどのヒットとならず失速しますが、よりミディアムテンポの楽曲を増やし、セルフタイトルを冠した3rdからは"You And Me"が息の長い大ヒット。ラジオの帝王に返り咲き、満を持しての4作目がこの"Who We Are"です。


前作の大ヒット曲"You And Me"が落ち着いた曲調のミディアムバラードだったので今作はその土壌で二匹目の泥鰌を狙いに行くのかと思ったのですが、意外にも疾走感のあるロック色の強い楽曲が並ぶアルバム。タイトル曲"Who We Are"や1stシングルになっている"First Time"など、独特の哀愁と力強さが同居するLIFEHOUSEサウンドに挟まれることで、これまで全てのアルバムで金太郎飴的に展開されてきた彼らお得意の甘い甘いミディアムテンポな楽曲もアルバムの中で効果的に活かされて、これはなかなか良いアルバムじゃないでしょうか。贔屓目は否定しませんが。


"First Time"はオンエアも好調みたいですね。ビデオクリップも単純に夏や海のイメージをなぞらないで、一工夫した後が見られます。まあ、成功してるとは言い難いですが(映像の切り替えのタイミングが音と色の広がりとずれてんだよな)。なんとなく映像にも楽曲にも、自信が滲み出てるのが見て取れる。YouTubeだとアレですが、OFFICIALなんかで映像見ると、この赤が広がっていく映像は結構綺麗。


First Time / LIFEHOUSE


いよいよ夏本番。夏はやっぱりかすれた声で疾走感のあるロック聴いてナンボですよ。僕は嫌いだけど、だからみんなサザンとか好きなんだろ。何も足さず何も引かずに、7年前にワクワクさせてくれたバンドがそのままの瑞々しさでここに在る。だから7年前と似たような曲を聴いて「いいな」と思える自分自身にも「いいな」って思えるわけで。そんなバンドにも自分にも「おかえり」って言える素敵なバンドです。